衝動

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外で待たせていると目立つだろうし、 本当に週刊記者まがいの奴がいるなら更に面倒だ。 昨日電話しておくべきだったと 内心息をつく。 そのまま視線を遠くに移そうとすれば いつの間にか近付いていた真白が目の前で立ち止まった。 「……判った、  だから怜奈はそこから動くな 」 取りあえず通話を終わらせようと、口早に告げる。 「…今から管理人に連絡して  部屋を開けるように伝えるから、  俺が帰るまで、中で待ってて」 そう言い終わるか、終わらないか 細い手がゆっくりと伸びて、視界の端に映り込んだ。 (―――――――――――) 咄嗟に視線を戻した瞬間、 耳元の携帯が掴まれ、“聞くな”といった風に下ろされる。
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