衝動

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不服そうな顔を眺めながら あと30分でここを出ると言えば、 真白は大きく目を開いて固まる。 視界を遮るように 持っていたミネラルウォーターを差し出すと、 「じゃ、隣にいるから」 そう口にして真白から背を向けた。 本当はもう少し早く声を掛けようとした。 だけど、 “…なんで私を、こんな所に?” 昨夜訊ねられた事、 それももう一度訊ねられてたとしても、 答える気分になれそうになかった。 デスクに浅く腰掛け、 昨日真白が触れた見合い写真をぱらりとめくる。 (……住井商事、か……) そこの娘、この顔とは ドイツに渡る前に何度か顔を合わせた事があった。
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