衝動

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何度自問しても行動の理由が判らない。 それでも体の半分は駆け出そうとするのに 頭の中で響いた問いがもう半分の身体を留まらせていた。 ―――本心を知りたい だけどもう一度あの顔をさせる事が “正解”なのか 駆け寄って問い質す事が”正しい”のか 自分自身がせめぎ合って答えが出ない。 「本当……、」 ―――どうしてそんな瞳をする? 流れてくる痛みが伝染って、 思考を強く囚われてしまう。 木々が揺れる穏やかな空間に、 取り残された俺だけが“違和感”だった。 不快な汗がじんわりと纏わりついた頃、 ため息を残し、残像を振り切るように先へと歩き出した。
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