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(――――――――――――)
曖昧な夢と現実の狭間で
俺が見ていたのは…何だった?
体を起こしたと同時に
今見ていた浅い夢が流れて跡形もない
「……はい、これでしょ?
疲れてるんだね、
何か凄く辛そうな顔をしてたよ」
怜奈は心配そうにミネラルウォーターを渡すと、
「先行くね」と部屋を出て行った。
半分だけ閉められたドアの隙間から
光が射し込む。
それをぼんやりと瞳に映しながら
(何をしてるんだか……、)
乾いた身体に水を一気に流し込んだ。
思い起こした夢の切れ端を繋げば
すり抜けた残像と抜け殻で、
それを無意識に想うなんて
暑さでなのか
寝不足からなのか
どちらにせよ、相当やられてる
空になったボトルが鈍い音を立て、
俺はため息をひとつ置くと、
小さくかぶりを振ってベッドを抜けた。
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