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――――視線が絡む
その意思も意図も、俺への感情も
…もう判っている。
―――だけど、
「怜奈、おやすみ」
細い手を外しながらその気持ちを遮った。
「――――――――――――」
微かに瞳を揺らす怜奈が、視界の真ん中に映る。
失意を乗せた眼差しはすぐに下へと落ちて、
「おやすみ、朔
見送りには来てね」
そう言って外へ足を下ろした。
“―――いつまでも、子供?”
ドア一枚隔てた奥を見ながら
訊かれた言葉が頭の中を巡る。
一回り違う、赤ん坊の頃から面倒を見た相手
だからどれだけ時が経っても、俺にとってはその枠を超えない
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