奔走

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(――――――――――――――) こちらに目を向けた瞬間、真白の動きが止まり、 同時に俺の目が僅かに開く。 けれど、別にどんな格好でも構わないし、 その姿ならシャワーはもう終わったんだろう 俺は隣でシャツを取り出すと、そのまま脇を通り過ぎた。 シャワー室を開ければ、 すぐに下に脱いだ服が散らばっている。 それを避けながら、 ふっと胸に燻っていた苦さが抜けるのを感じた。 (俺の知る限り、  女はこういったのを隠すものだけど) どんな生活をしているのか、容易に想像出来る状況 その中に俺がいるような錯覚が少し可笑しかった。
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