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どちらにせよ、
成立させる気もする訳もない話
視線を落として書類をまとめ、席を立つ。
そんな俺を横目に、祖父は何か言いたそうにした。
だけどただ小さく息をついただけで、
部屋を出る俺の背を見送る。
デスクに戻り、時計に目を移すと、
時刻は22時46分
佐藤にメールを送信し終えた時、
鞄の中で携帯が震え始めた。
「もしもし?」
画面に浮かぶ名前に、一呼吸置いて電話に出ると、
良く馴染んだ声が耳を通り抜ける。
「おー、朔! 今ええ?」
「……あぁ、久しぶり」
背もたれに体を預け、窓の外に目を向けると、
見慣れた景色の中に12月の寒さが滲んでいた。
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