302人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「済んだ話って?」
「さっき先方から断りがあったらしいから」
「――――なんや、それならええけど
住井んとこの女、
お前のファンって結構有名やったけど、確か男おったような…」
山梨はそういう事は良く知っている。
「…本当、記者並に情報通だな」
俺がふっと息を吐き出すと、
「皮肉か!」と耳の奥に笑い声が響いた。
「まぁけど気をつけろやー
そんなんアヤちゃんの耳には入れたらあかんで」
その言葉に、
俺はもう一度苦笑交じりの息を吐き出す。
真白は見合いをしたという事実は知らないはず
だけど俺に見合いの話があることは
もう知っている。
それでも気に留めた素振りもなかったし、
俺の心も揺るがない以上、大した事にはならないはず
最初のコメントを投稿しよう!