第1章

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俺が働けなくなって、一年。 財産は底をつき、明日の米さえ買えない。 今日からは、俺が食事の準備をする。 家族が久しぶりに揃うんだ。 よし、子供たちの食べたい物を作ってやろう。 なにが食べたいか、子供達に聞いた。 「玉子焼き」 玉子焼きか… 料理をしたことはなかったが、玉子焼きくらい簡単だ。 だが、肝心の卵を買うお金がない。 だけど今日は特別な日。 俺の人生再出発。 家族がやっと揃ったこの日にご馳走を作らないといつ作る? 俺は、家族のために近くの養鶏場に頭を下げた。 人に頭を下げたことがない俺が、頼み込んで1キロの卵を分けてもらった。
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