第3章 赤坂の夜

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店を出たところで、直斗は七海を待っていた。 七海が腕を組んできたのを機にまた歩き出した。 「次は、表参道だよね。」 蕎麦屋で聞いた予定を思い出し、七海が嬉しそうに言った。 「その前に。これ、先に渡しておこう。」 直斗は今受け取った紙袋を七海に渡した。 「これ、何?」 「七海、20歳の誕生日、おめでとう。」 「えっ!誕生日プレゼント?見ていい?」 嬉しそうに、直斗の返事も待たず紙袋の中からラッピングされたものを取り出す。 直斗は、七海から紙袋だけをとり、クスッと笑った。 『まるでおもちゃを与えられた子供の様だ。』 七海の笑顔が直斗には嬉しかった。 七海は、丁寧に包みを剥がし、箱を開けた。 そこには、ベビーリングがついたネックレス。 あまりの嬉しさに、口をパクパクさせている七海。 それを見た直斗が、 「つけてあげよう。」 ネックレスを取り出し、七海の後ろからネックレスを首にまわした。 ベビーリングを見ている七海に、 「七海の誕生石だ。」 直斗が、伝えた。 リングの内側にメッセージが、彫られていることには触れずに。 しかし、七海は気付いていた。 リングの内側に彫られている、 《 N to N with 》
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