第3章 赤坂の夜

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「ナナ、前回俺は年齢を聞いたよな。その時、ナナは咄嗟に、ニジュウと答えた。本当なら、ハタチって答えるよ。それで、わかった。だから、ナナにはジュース。」 膨れっ面のナナに対して、ママが、 「あらあら、ご馳走様。」 「なんで、ご馳走様なの?」 ナナの質問に、 「ナナちゃん、わからないの?直斗さん、ナナちゃんの事を思って、ジュースにしなさいって、言ってくれてるのよ。私にも、そんな優しい事言ってくれる人、いないかなぁ?」 「ママにも、いるでしょ。住むところまでお世話してくださる方が。」 「でも、最近は。」 今にも泣き出しそうなママに、ナナは 「泣くなら、出て行ってくださいね。」 「はいはい、わかりました。どうせ私は、お邪魔でしょうから。」 笑いながら、ママが部屋を出た。
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