第3章 赤坂の夜

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その日、赤坂を後にした直斗。飲み過ぎたにも関わらず、程よい気持ち良さを感じていた。 『家には、帰りたくない。』 何となく、そう感じて、タクシーに乗り、自分だけのアパートに帰った。 ここは、直斗が家族に黙って借りているワンルームのアパート。月5万程度の家賃は、直斗の収入では大した影響も無い。 部屋にあるのは、小さなテレビとソファーベッド。それに故郷の山々が描かれた油絵が一つ。 この絵を見るたびに、元気を取り戻し、難しい仕事にも立ち向かってこれた。
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