第3章 赤坂の夜

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1週間、ただプロジェクトの成功だけを意識し、仕事をこなした。 部長クラス相手の要件確認も終わった。 要件が予想以上に膨れ上がった。 全ての要件を今回の構築範囲とそれ以外に整理し、スケジュールの見直しも不要と判断した。 金曜日、三峰からの誘いに乗り、若手のリーダーを引き連れて六本木に繰り出した。 イタリア料理の店でワインを片手に仕事の憂さを晴らした。 若手リーダー駒宮の 「そろそろ次の店行きましょう。良い子がいる店、知ってるんですよ。」 と言う誘いに三峰が、やんわりと断っていた時、 「直斗さんじゃないの?」 声をかけられた。 直斗が振り返るとそこには、 「ヒトミさん。こんばんわ。こんな所でお会いするとは。」 「私、今日同伴なの。だから。それより、今日くるんでしょ?ナナちゃん、首を長くして待ってるわよ。早く行ってあげてね。」 ヒトミさんが、店を出たのを確認し、駒宮が、 「直斗さんも隅に置けないな。待ってる人がいるなら、最初から教えて下さいよ。三峰さん、2人で次行きましょう。ここは、直斗さん持ちと言うことで。」 2人は、楽しそうに出て行った。
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