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直斗は、ナナの作ってくれる水割りが気に入っていた。
球状の氷をグラスに入れ、そこに酒を注ぎ、マドラーでひたすらかき回す。
笑顔で話しながらも、手は休めない。
直斗がタバコを吸い始めると、水を入れ、さらに一混ぜ。
グラスに着いた水滴を拭い去り、ようやくグラスが渡される。
ナナと飲み始める時の儀式。
更に儀式は、続く。
直斗は、渡されたグラスを一気に空ける。
2杯目もナナは、手を抜かない。
2杯目のグラスが直斗の手に渡る頃、ナナにはオレンジジュースが用意される。
直斗は、ナナにはお酒を飲ませない。
「20歳になったら。」
もう口に出さずとも、暗黙の了解。
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