第3章 赤坂の夜

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「後ひと月もすれば、直斗さんとお酒が飲めるのよ。」 ナナは、嬉しそうに直斗に伝える。 「誕生日プレゼントは、何が良い?」 ナナは、 『直斗さんが隣に居てくれれば』 なんて、思いは口にできず、 「何か買って下さるの?直斗さんのプレゼントだったら、なんでも嬉しい。」 「わかったよ。考えておくよ。」 「でもね、日曜日なんだよ。」 「何か問題でも。」 「日曜日は、ここお休みだから。」 「じゃあ、昼からデートするか?」 思ってもみなかった直斗の提案にナナは、目に涙を浮かべて、 「う、うん」 「その代わり、来週からは来れそうにないから、おとなしく待ってろよ。」 直斗にとっては、あっという間。だが、ナナにとっては、長い長い日々を過ごした。
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