第3章 赤坂の夜

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今日は、ナナの誕生日。 待ち合わせ場所の新宿に30分も早く着いたナナ。 直斗の到着を待ちきれず、ソワソワしていると、 「ねぇ、1人?俺と遊びに行かない?」 如何にも大学生と思われる男に声をかけられた。 ナナは断ったが、執拗に誘ってくる。 ナナが無視していると、声を荒げて 「何とか言えよ。・・」 1人、喚き散らし始めた。 通行人も只ならぬ状況を感じていた、その時男がナナの手を取ろうとした。しかし、男の手はナナの手を掴むことなく、別の男に握られた。 「俺の女に手を出すな。」 直斗は、男の手首を強く握り、手を離した。 男は、手首を押さえたまま、直斗に謝り、立ち去ろうとした。 「待て、お前が謝るのは俺じゃないだろ。」 男は、何も言わずに、逃げ出した。 「待たせて悪かった。」 そこには、いつもの直斗がいた。
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