第66章《直人》

15/17
前へ
/1094ページ
次へ
白くて細い体は、光を浴びて妖艶にうつる 柚葉は正面を見ずに顔を横にしている 体の全体像を見ると、やはり手足のアザや傷に 目が行く。まだ、痛々しい痕... 早く消えてしまえばいいのに... 柚葉の胸元を隠す手に視線をうつせば、 手首を一周するアザが気になりだした 不自然な痕... 「柚葉、この手首のアザは?」  柚葉は、首を振った 「これは、あの... 木曜日に... 中村君に 引っ張られて... 」 「どうして?」    「帰りに、公園の方へ。。。」 「で?」 「離してください。って、言って。 そしたら、りおさんが中村君を待って いて。手を離してくれました。」 所々、わからないこともあるけど。 中村が危険なやつだってことはわかった。 あの時の舌打ちは、空耳じゃないことに 確信を持つ。
/1094ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6956人が本棚に入れています
本棚に追加