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白くて細い体は、光を浴びて妖艶にうつる
柚葉は正面を見ずに顔を横にしている
体の全体像を見ると、やはり手足のアザや傷に
目が行く。まだ、痛々しい痕...
早く消えてしまえばいいのに...
柚葉の胸元を隠す手に視線をうつせば、
手首を一周するアザが気になりだした
不自然な痕...
「柚葉、この手首のアザは?」
柚葉は、首を振った
「これは、あの... 木曜日に... 中村君に
引っ張られて... 」
「どうして?」
「帰りに、公園の方へ。。。」
「で?」
「離してください。って、言って。
そしたら、りおさんが中村君を待って
いて。手を離してくれました。」
所々、わからないこともあるけど。
中村が危険なやつだってことはわかった。
あの時の舌打ちは、空耳じゃないことに
確信を持つ。
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