第1章《柚葉》

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第1章《柚葉》

「わぁー、ステキ!」 「柚ちゃん、目がキラキラしてるよ」 って、桜井さんに笑顔で言われ顔を 赤くする私 ここは、私のお気に入りの雑貨屋さん。 店長の桜井さんが、 「今日、入荷したばかりのバスローブ、 パープルで良いでしょ!? 柚ちゃんに似合いそうだね。」 と、営業スマイルで見せてくれました。 そのひと品は、今の季節に咲く あじさいのような優しい紫色で モコモコの柔らかいタオル地の ショート丈のバスローブ あまりにもステキで テンションが上がったけれど チラッとみえた値札には 15000円って。。。 無職の私には、到底買えそうに ないから・・・ 「今日のお目当ては、グラスなので」 とお断りしました。 このステキな雑貨屋 「フェイバリッツ」は、 私のアパートの最寄り駅にある店。 1階は、文具やアクセサリーなどの 小物からキッチン用品 2階はリビングコーナー、 バス&トイレコーナーがあり ナチュラルなテーストで、どんな お部屋にも似合いそうなオリジナル 商品がたくさん並んでます 季節によってカラーバリエーションが かわったりするのが楽しみで、私は 独り暮らしを始めてから、ここに通う のが日課になってました。 だから、店長さんも店員さんも 私をみつけると優しく声をかけて くれます。 30分ほど店内をひとまわり。 新作でたくさん欲しい物があったけど 「高いのは、買えない。がまんがまん」 と自分に言い聞かせ、早く新しいお仕事 みつけなくちゃと思うのでした。
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