第3章《澤木》

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第3章《澤木》

毎月の支店回りは、自分の足で行く ことにしてる 最後はフェイバリッツ緑園店 店長との打合せまではまだ時間が あるな。 コーヒーでも飲んで行くかと、国道を 挟んで向かい側の「青い屋根」に 向かった ログハウス風のつくりで、木の温もりが やさしい雰囲気を出しているコーヒー 専門店。 70歳にもなったのだろうか センスの良いマスターが いつも出迎えてくれる 「いらっしゃい。 澤木君、久しぶりだね。」 「先月、来たじゃないですか。」 「偉くなって、忙しいんだろう!?」 「そんなことないですよ。」 「今日は、店の子と花火大会かい?」 「えっ、ああ・・・」 そうか、今日はシーサイドで花火大会 だって社員が言ってたな。 「残念。今日は店長のケツを叩きに きました」 「桜井くん、御愁傷様だね~」と 笑って、良い香りを漂わせながら コーヒーを入れてくれた 「今日のおすすめは、キリマンジャロ だよ。」 「じゃあ、それでお願いします。」 俺は、窓側の席に腰かけた
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