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「綺麗だよ……」
優輝さんは、ゆっくりと私の身体から離れると、肩を抱き寄せ、すこし照れたように景色の方に向き直った。
たった今まで抱きしめられていたせいで、身体の火照りとドキドキが止まらない。
夢……なんかじゃないよね?
だって、冷えた風が優輝さんの掛けてくれたコートをひやかしがてらに飛ばそうとするのを必死に押さえているんだから。
「風邪引かれちゃ困るから、車に戻ろっか……」
そう言うと、優輝さんは助手席のドアを開けて、私を先に乗せてくれた。
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