本場中華料理店

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 その話の内容は、僕たちがそこへ行ったその更に数年前の話でした。  父は当初、仕事で渡米していたのですが(今は永住民)、勉強が出来る人ではありませんでした。頭のいい、しかも長年合衆国暮らしのS子さんやAちゃんと違い、英語がからっきしな状態で、困ったときはとにかく「Yes!」を発動するカタコト英語の使い手でした。  …今はまだマシのようですが。  それで英語と中国語ばかりが並んだメニューが殆んど読めません。    訳して貰いながらメニューを見ていると、一人のおじいさんが出て来たそうです。  彼は日本語がとても流暢な人で、「日本人のために日本語のメニューも置いてあるんだ」と言って日本語のメニューを奥から持って来てくれました。  いろいろな話を交し、教えてくれたりと、とても親切で優しいおじいさんだったそうです。      しかし、私と妹が同行したその日。そのおじいさんは見当たりません。
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