本場中華料理店

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 その後も、Sさんは少し店員と話していたようですが、やっぱり店に違いはなくて、その中華料理店なのです。    確実に会話を交した相手を、その同僚だろう人たちは覚えていなくて。    メニューを聞いた彼は確かに料理を運んでも来たのに。    日本語のメニューも彼が隠していたものなのか、見覚えのある人はおらず。    実父たち三人の記憶が間違っていなければ、彼は一体どこへ消えてしまったのか。  中国人と日本人、またアメリカ人の“おじさん”という感覚が違い、伝わらなかったのか。 なにかしら原因はあったかも知れませんが、シェフたちに直接聞いたわけでもないし、未だに実のことは分かっていません。  それ以前に本当にそこへおじさんがいたのかも定かではないのですけれど…。    
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