部屋の電気

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 2008年も年末に迫る、つい最近のことです。  前のページに貼り付けた写真が、今回問題の僕の部屋の電気です。  他の部屋はリモコンでピッピッと点けたり消したり出来るのに対し、引っ越してきた当初に「これ有るんだから使いなさいよ」と半ば押し付けられた、ガッチャンと紐を引く旧型の電気さん。  コイツが曲者でした。  夜。  静かな部屋の中、ベッドの上で俯せに寝転がり本を読んでいると、突然背後からガッチャン!と聞き慣れた音がしました。 「!?」  内心ビクッとしつつ、けど頭はこういう時ほど嫌に冷静なため、ゆっくりと振り返って電気を見上げました。  若干ゆらゆらと揺れているあの紐。 (…は、触ってないよね?窓は締めてるし、(地面は)揺れて、ないよね。空気?)  一瞬であらゆる可能性を考えました。  一番有力なのは空気の流れですが、いや、いつもはそんな揺れてないやんけ。と余計な突っ込みを入れてしまうもう一人の自分と衝突。  そんなときの自己完結方法を、長年の経験から僕は心得ていました。 (…取り敢えず居てもいいけど、余計なことや邪魔するんだったら出てってな)  そう、誰にともなく告げるのです。
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