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高尾が緑間のことを真ちゃんと呼び始めた位の話。
「なぁ真ちゃん。」
「…その呼び方、まだ慣れないのだよ。」
帰宅途中、リアカーのチャリを漕ぎながら高尾がおもむろに緑間の名前を呼んだ。
「中学で何て呼ばれてたんだよ?」
「大体はそのままだったのだよ。…緑ちんとかは在ったのだよ。」
「ちょっwww緑ちんってwwww俺もそれにしていいwww?」
「断じて断るのだよ。」
緑間はおしるこをすすりながら高尾の質問に即答した。
「ていうかさぁ、帰り真ちゃん家よってもいい?」
突然聞かれ、直ぐに断ろうとしたが、よく考えれば今日は自分しか家に居ないのを思い出した。
「……構わないのだよ。」「よっしゃ!!一回行ってみたかったんだよな!」
「高尾はいつもより少し早めにペダルを踏み、緑間の家路を走った。
「おじゃましまーす♪」
「…静かにするのだよ。」
家は、一軒家で中は木製の暖かみのある内装だった。
「何か飲み物を持ってくるのだよ。」
「どこいっとけばいい?」「二階にオレの部屋があるのだよ。」
「オッケー」
高尾が二階に行くと突き当たりに、『真太郎』と書いているプレートが掛かった部屋があった。
「分かりやすwww」
開けてみると中はきちんと整理されていて、右に机、左にはベッドが見えた。そして机の横に大きめの段ボールがあり、覗いて見るとラッキーアイテムが沢山入っていた。
「プッwwwリ●ちゃん人形とかwwwww」
ガチャ
「あっ真ちゃん!」
緑間は、お盆にお茶の入ったコップ二つ、と袋包みのお菓子を数個乗せた皿を持っていた。
「勝手に触るな、バカめ。」
「バカはヒデーよ!て、言うか今日家族は?」
「今日は皆用事があるからオレ一人なのだよ。」
床にお盆を置き、緑間はベッドに座った。
「へぇ~………じゃあ今日何してもいいんだ…ボソッ」
「えっ?……どうした高……ちょっ!」
高尾は突然立ち上がり、ベッドに座っていた緑間を押し倒し、キスをした。
「ん…!!…んぁ…ん」
ジタバタと暴れる真太郎を両手で押さえ込み、隙だらけのところへ舌を入れていく。
長いキスが終わって高尾は緑間から唇を離した。透明の糸が張り、深いキスだったという事が分かる。
「ハァ…ハァ……ちょっ高尾いきなり何を…」
緑間の顔は紅潮して、息づかいも荒かった。
「これぐらいじゃ…済ませないよ?」
END
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