第2話 パーティーで

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「お嬢様!」 老人の掛け声に、私は振り向いた。 私の長いウェーブの黒髪と、紅色のロングスカートの内側から垣間見える白いレースが優雅に揺れた。 「祐也さんが探しておられましたよ」 老人が笑顔で言った後、老人の背後から若い男が姿を現した。 「探していたぞ、ユリエ」 「あら、ごめんなさい。色んな方と話込んでいたのよ」 私は、にこやかな表情で応えると、右手に持つグラスの赤ワインを一口飲んだ。
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