第1話 尖沙咀のバーで

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その男が店の外に出るのを見た青年は、数秒後、同じように店を出た。 男は、すでに駐車場の出入り口にいた三人の男と合流し、立ち話しをはじめた。 「それで…例の『新しいターゲット』のスケジュールだが…宿泊場所などは事前の調査通りで、変わりないか?」 「はい。事前にリサーチした通りです。小松原 ユリエと婚約者の宿泊先は、東京プリンセスホテルという名のホテルの、1204号室に変わりありません」 「よし」 「でも、ヤンさん。これで日本の警察が大人しくなるんスかねぇ?たかが警視総監の娘じゃないですか…」 「あったりまえだろ。とにかく成功を祈るぞ」 ふと、駐車場を出ようと歩きはじめた男たちの足が止まった。 出入り口に、青年が立っていた。
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