第1章

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「えっと、お仕事中ではないんですか?」 思わぬ出来事に気のきいたことも言えず きっと私は笑顔ですらなかったと思う。 「他にお客さんもいないし、大丈夫。」 そう言ってまた微笑んだ彼は 優雅にコーヒーを飲みながら小さく息を吐いた。 「いつも来店してくれる貴方に聞きたいことがあったんだ。」 そう言いながら彼は姿勢を正して私に向きなおした。 「このお店のこと、どう思ってるかな?」 仕事中にも関わらず話しかけてきたことに警戒していた私は 彼が見せた真剣な眼差しを見て 彼が冗談や遊びで話しかけてきたわけではないと感じ 私も真剣に答えようと姿勢を正した。
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