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「さて、と。本題に入ろうか。
実はこの店の常連であるキミにお願いがあったんだ。」
由月さんはそう言って小さく深呼吸をした。
「お願い…ですか?
このお店についてどう思うか教えてほしいってこと以外に?」
私がそう尋ねると、彼は笑って頷いた。
「うん。実は、アルバイトを募集しているんだけれど。
このカフェの味を全く知らない子や、遊び半分で働かれるのは御免なんだ。
だから、正式に雇うアルバイトは自分から声を掛けたくてさ。」
そこまで言うと彼はまた小さく息を吸った。
「優衣ちゃんでいいかな?
お店に入る前にアルバイト募集の張り紙を見ていたよね。
良かったら、うちで働かない?」
今日見た表情の中で一番真剣な顔を見せた由月さん。
私は、ゴクリと唾を飲み込んでゆっくりと深呼吸をした。
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