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「えっと、呼び方は優衣って呼び捨てで良いです。
アルバイトの件は、少しだけ考えさせてください。
今のアルバイト先も、フルでシフトに入っていますし…。
働くのであれば中途半端にではなく、しっかりと働きたいと思っています。
今のアルバイトを辞めるにしても、退職するまでに一カ月はかかってしまうので…。」
そこまで言い終えると彼は安心したように微笑んでこちらを見た。
「真剣に考えてくれてありがとう。優衣。
僕のことも由月でいいからね。
この店で働くのであれば憂いなく働いてもらいたいと思っているからゆっくり考えてくれればいいよ。
今のアルバイト先で頑張りたいと言うなら、その気持を尊重しようと思っているしね。
この店で働きたいと思ってくれるのであれば、退職するまでちゃんと待つつもりでもいるよ。」
そう言った由月さんは、とても柔らかく微笑んでいて
思わず見惚れそうになってしまった。
「ありがとうございます。」
そう言って、私はもう冷めてしまったチャイをゆっくりと口に運んだ。
冷めてしまったチャイは、甘めのロイヤルミルクティーのような味わいで
柔らかく広がる甘さとスパイシーな香りは、目の前にいる由月さんと少し似ているのかもしれないな。
なんて、ちょっと笑ってしまった。
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