第2章

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「さっきはごめんなさい!ありがとうございます!」 仕事が終わって、ロッカールームに行くと加奈ちゃんが待っていた。 深々と頭を下げる彼女の姿をみて、私は酷くイライラとしてしまった。 ―ダメだ。 彼女に対する苛立ちはただの八つ当たり。 そう自分に言い聞かせて、私はゆっくりと深呼吸をして笑顔を作った。 「大丈夫だよ。今日は忙しかったからね。 でも、気をつけないとダメだよ。 食器も全部お店の備品だから大切にしないといけないし、怪我をしてしまったら危ないからね。」 ゆっくりとそう告げた私を彼女は見上げて 「ありがとうございます。」 と再びそう言った。 そして 「あの、少しお話してもいいですか?」 と尋ねてきた。
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