第2章

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次の日 私は早めに出勤をして店長に退職の意思を伝えた。 「突然ごめんなさい。 どうしても、勉強したいことがあるので別のお店でアルバイトをしようと思っています。 そこで弟子入りさせてもらえることになりましたので、退職をしたいです。 残り短い期間ですが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。」 必死に考えた言い訳は、由月さんのカフェでアルバイトをしたいという理由。 「そっか。楠野さんは仕事が出来るから辞められるのは惜しいけど、仕方ないね。 皆には自分から伝えていってね。」 店長は、少しだけ素っ気なくそう言った。 逃げるみたいでカッコ悪いけれど 頑張る理由が見つからなくて、苦しいままに働くのが嫌だった。 ー辞めるんだ。 そう思うと、気持ちが少し楽になった。
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