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アルバイト先で嫌われた理由。
私の存在が邪魔だと言われたこと。
包み隠さず話した。
全てを話終えて、由月さんは少しの間黙りこんだ。
話したことで少し心が軽くなった私は、再びカモミールティーを飲みゆっくりと息を吐いた。
「ごめんなさい。変な話をしてしまって。
結局逃げてしまったんです。
嫌な話をしてごめんなさい。
嫌な気持ちになりましたよね。」
重苦しいこの空気を何とかしたくて、私は明るい声でそう言った。
「いや、ごめんね。
黙っていたのは嫌な気持ちになったとかじゃなくて、考えていたんだよ。
確かに優衣ちゃんは逃げたんだと思うよ。
もちろん、これからの頑張り次第でその決断は逃げではなくなる。
ただ、今の優衣ちゃんを…その気持ちのまま働かせて良いのかなって。」
由月さんの言葉に驚いて、私は思わず声を上げた。
「そんなっ!
ここで働きたいと思ったのは本当です!
お願いします!働かせてください!」
働かせてもらえなくなると思った私は、気付いたら立ち上がって頭を下げていた。
その姿をみた由月さんは一瞬呆けた後、突然笑い出した。
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