第2章

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「まず、優衣ちゃんは後輩の女の子にどんな感情を抱いてるかな? 僕の考えは、優衣ちゃんの感情次第で変わってくるんだ。」 ー私が彼女に抱いている感情。 嫌いなのか、好きなのか。 それすらもわからない。 元々は好きだった。 明るくて一生懸命な彼女は、本当に可愛い後輩だった。 けれど、あの言葉があってからは会うことが苦痛だった。 今は嫌いなのかな。 由月さんの言葉を聞いて、そう考えながらふと彼の方を見てみると何もかも見透かされそうな瞳を私に向けていた。 「嫌い、じゃないです。 どんなことを言われても可愛い後輩であることに変わりはなくて…。 嫌われていたことが悲しくて、会うたびにどんどん嫌われていく感じがしたのが苦しかったんです。 私は好きなのに、拒絶されるのが怖くて…いつの間にか彼女自身が怖くなっていました。」 ただ嫌いだという言葉で片付けるのは簡単だったのに、私はその言葉を言えなかった。 口にした瞬間、涙が溢れだした。 ーそうだ。 嫌いじゃなくて、好きなんだ。 好きだからこそ、怖かったんだ。 自覚してしまうと、あとは簡単だった。 感情を素直に受け取って、自分のなかにゆっくりと流し入れた。 無理矢理押し付ける感情ではないから、苦しみもなにもない。 溢れた涙がゆっくりと机に落ちた。
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