きみのために。

第２章

「そっか。
優衣ちゃんは本当に良い子なんだね。」

少しの沈黙の後、由月さんは優しくそう告げた。

「繰り返しちゃうけど、優衣ちゃんには憂いなく働いてもらいたいんだ。
そして、優衣ちゃんは後輩ちゃんのことが好きだと言って苦しんでいる。
今のアルバイトが終わるまであと半月くらいあるのかな。
だったらその半月は優衣ちゃん自身が自分のために行動すべきだと思うよ。」

由月さんの言葉の意味を理解しかねていると、彼は笑って彼の考える作戦を教えてくれた。