この空を、君と。 #2

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「不思議だな。」 ほんの一瞬で、人を好きになる。 それはこんなにも暖かいことで、不思議なことだ。 「晴野さん。」 いつの間にか、俺と彼女の手が少し触れ合っていた。 「…なに?」 晴野さんは俺に目を向け、静かに次の言葉を待っている。 ここで言うのは間違っているかもしれない。 だけど、そう思ったときにはもう── 「好きだ。」 そう言っていた。 夏の匂いが詰まった、優しい風がそっと吹いた。
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