0人が本棚に入れています
本棚に追加
この空を、君と。 #2
俺は静かに椅子に腰掛け、教科書を開いた。
本当は勉強なんてどうだっていい。
ただ、晴野さんと一緒にいる時間が欲しいだけ。
晴野さんは、俺のことをどう思ってるのだろう。
彼女にバレないように、ちらっと横目で見る。
机の方を向いたまま、何かを黙々と何かを書いている。
下に垂れた髪から隠れた頬が少しだけ覗く。
一瞬、俺の動きが止まる…。
突然、晴野さんがカチッと、シャープペンの芯を戻す音が響く。
その音と姿を見て、慌てて教科書の方に視線を戻す。
やばい、見つめてたの気づかれたかも。
そう思いながらも、わざとらしく教科書をパラパラとめくったりしていると、晴野さんが突然、メモ用紙のような小さな紙を渡してきた。
最初のコメントを投稿しよう!