編集長

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  これと決めたら 譲らないような情の強さや、 逆に脆さ── 織部先生の、 目には見えない そういうものを、 あたしは確かに感じた。 さくらさんのような女性を 放っておける人であったなら、 むしろあたしの憧れは 憧れで終わり、 今ほど惹かれていなかったと思う。 複雑な気持ちが胸に広がった。 ああ、やっぱり逢いたいな……。 さっきまですぐ傍にいたのに、 また彼を確かめたくなっている 自分がくすぐったい。 さっき織部先生が 伝えてくれたように、 あたしも彼に 何かしてあげることが できたら──。 .
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