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二度目の織部先生の指先は
最初とはまた違い、
多少の遠慮を省いたものだったけど、
あたしに判らせるためなのか、
くどいほどに丁寧だった。
彼にとっても今までとは違うんだと
あたしに伝わるまで、
たまらず泣き出すまで。
生きていくスタイルまで
織部先生に
組み替えられてしまったような
身体にまだ慣れることが出来ず、
少し歩きにくいのをこらえ、
駅から青優社に向かって歩いた。
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