【完】視えるふたりの恋愛相談室

第5話 それは──の願いの行方

大通りから脇に逸れてさらに小道に入ってしばらく走ると、二階建ての一軒家の前で車はゆっくりと速度を落とした。

「着いたぞ」

駐車スペースに難なく車を止めた先生に促されて外に出る。

心地よい風が吹いてざわざわと木々が揺らめき音を立てた。