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「………おい。」
「グルルルルル……?」
彼は高い木の上から飛び降り、ダメージを受けずに着地した。虎は、それに気付いて顔を上げる。
「最近さ……調子乗りすぎ。俺の分、食べないで。」
「グウゥゥゥ…」
「お前…肉食なんだから狩りくらいできるだろ。自分でやるんだな。」
「ガウゥァ!」
「遅い。」
怒って襲いかかってきた虎の懐に潜り込み、顎の下に1発、鍛え上げられた脚でジャンプしたアッパーを食らわせると、虎はそのまま伸びてしまった。
「んー……弱。意外。…グレイ、果物取りに行く。」
『そのままで良いのか?半分水に浸かったままだが。』
「……多分、大丈夫。風邪は引くかもだけど。」
そう言うと、彼はそのまま森の中を歩き、そこら辺の実を毟っては口に放り込んでいく。危なそうなキノコまで口に放り込んでいくのだが、彼はそんな事を気にすることはない。
『そういえば、そのキノコは身体が痺れるのではなかったか?』
「んー?食べてるうちに、痺れなくなってきた。あそこの紫のキノコは流石にダメだったけど。」
身体が毒に慣れてしまったらしい。生水も、生肉も平気になったので、彼の身体はだいぶこの森に順応している。
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