堕天使に連れてこられて。

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「……外れ、ろ……ぉ、ぁ………?」 急に実の意識が遠くなった。自分でも訳が分からない様な顔をして、その場に倒れ込む。 『薬か……此奴には効果は薄いだろうが……量がのぉ?そこの奴ら。』 グレイがつ、と横に視線を向けると、驚いた表情をした人間が5人いた。3人が男で2人が女だ。 「お前は何者だ?どうしてこの子はここにいる?」 代表らしい男が、険しい顔をしてグレイに問うた。グレイはニヤリと笑う。 『我は此奴をここに連れてきただけ。ここで、生きろと命令した。此奴は高瀬実……こちらではミノル=タカセと言うべきか?堕天使憑きの末路だ。』 グレイは、実の頭を優しく撫でた。本来、天使が人間に憑く事は加護を受ける事になるが、堕天使では正反対だ。 「やはり、貴様は堕天使か……その子を解放しろ!」 『無理だ。此奴は違う世界から連れてきたのでな。言葉以外の常識は通じんよ。そして、我の計画の為、2年かけて人間を恨むようにしてやった。人間社会には馴染めぬよ。』 「違う……世界?」 『あぁ。もう一度言うが此奴は我がとある世界から連れて来た。我も、流石にあと200年ほど世界を渡れなくなるほど、ここの管理神の予定外でな。戻すことも出来ん。』 「「「「「………………。」」」」」
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