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(え…。なんでこんなドキドキしてるの…)
顔がだんだんと熱くなる。
きっと、さっき走ったからドキドキしてるんだ。
だから、顔が赤いんだ。
そう思っていた。
「あ…」
私は声がする方を振り向くと、ボタンが私の方に転がってきた。
「ボ、ボタン…?」
私がボタンを拾うと
「ごめんなさい、それ俺のです」
そう言って、さっきの彼が私の方に近づいてきて手を伸ばした。
私は、「あ…どうぞ…」と言い彼にボタンを渡そうとしたとき
きゃっ!
電車に急ブレーキがかかった。
「あぶねー…」
頭上から声がする。
え……。
私が恐る恐る上を向くと、彼が私を庇うよな形で、ドアに手をついている。
みるみるうちに、私の顔が赤くなる。
その様子に気付いたのか、彼が
「あ、ごめん!」
とだけ言って、2人の元に戻ってしまった。
私は赤くなった顔を両手で包み、確信した。
私はキミに恋をした_______。
空を見上げるキミの横顔。
キミの笑顔。
その一瞬で、私は恋をしたんだ。
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