0人が本棚に入れています
本棚に追加
私は、1人で桜並木の下を通りこれから3年間通う中学へ向かう。
周りを見渡すと、私と同じ新しい制服に袖を通し、家族で入学式に向かっている子がたくさんいた。
「なな、ごめんね。今日、ねねの撮影だから入学式いけないわ」
朝、お母さんに言われた言葉。
来れる。なんて期待はしてないけど、ちょっと寂しい。
中学校につくと、先輩たちが盛大に歓迎してくれている。
でも、ヒソヒソと聞こえる。
『あの子、一之瀬ななだろ?ねねちゃんの妹。あんま似てねーな』
『きゃー!ねねちゃんの妹だ!あの子と親しくなってねねちゃんに合わしてもらおうと!』
『ねぇ、あの子本当にねねちゃんの妹?全然似てないんですけど。ありえないわ』
周りからそんな声が聞こえる。
私はそんな声を遮るために、イヤホンを手に取る。
「大丈夫大丈夫。笑顔でいないと。」
自分に言い聞かせるように、私は大きな深呼吸をした。
すると、
ねえねえ。
いきなり話しかけられた。
私が振り向くと
「1年生…?」と1人の女の子が立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!