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「う、うん!」
私が戸惑いながらもそう答えると、その子は満足そうに笑い、
「ねぇ、1人?私も1人なんだー。両親仕事で。ねぇ、よかったら友達にならない?私は関根りこ。りこって呼んで!」
その子は、私の前に手を差し出してきた。
私は戸惑いながらもその子の手を軽く握り、
「私は、一之瀬なな。私もななでいいよ!」
りこは嬉しそうに握った手を強く握り返してくれた。
「あ、そうだ!クラス見に行った?」
私が首を横に振ると、じゃあ行こっか!って言って体育館へ向かった。
「お!2人とも4組だ!これからよろしくな、なな!!」
「よろしくね、りこ!」
私達が教室に行くと、私達の方をジロジロと見てなにか話している。
『一之瀬さんって、ねねちゃんの妹らしいよ』
『え!まじで!似てないね』
そんな声が聞こえる。
大丈夫大丈夫。
小さい頃から、みんなねねちゃん、ねねちゃんばっかりだった。もちろん、私の両親も。
それに比べて、私はいないのと同然だった。
わかってる。
みんなが望んでるのは、私のお姉ちゃん。自慢のお姉ちゃん。
私はそう、自分に言い聞かせて自分の席に座った。
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