第1章

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灰色の雲が空を覆っていた。 太陽の光を感じることも出来ず、夜になってしまったかのようだ。 風がひゅうひゅう道端のゴミを巻き上げる。 もうすぐ嵐が来る。 ひとりの女が歩いていた。 髪が長くすらりとした女。 彼女の様子が普通でないとを分かるのは、その表情。 蒼白な顔に微塵のもない。 コンビニの前で立ち止まると持っていたカバンをゴミ箱に捨てた。 ガンっと強い音がする。 今までの自分と決別する。 何かを断ち切るようなそんな音だった。 彼女は表情を変えることもなく、そのま間歩いて行った。
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