第一章

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零番組___ それはどの組よりも荒くれ者が多く、腕に自信のある者が集められた組。 そして、その組を纏めるのが梓なのだ。 「指一本でも動かしてみろ。お前の刀、腕ごと吹っ飛ばすぞ」 梓はギロリと睨み付けた。 男は蛇に睨まれた蛙のようだった。 「殺されたくなければそのまま後ろに行け」 男は梓に腕を掴まれながらも後ろへと下がった。 そして、ある一定の距離、離れた時梓は手を離した。 「うわぁぁぁ!!」 だが、男は叫びながら向かってきた。 「折角、逃がしてやったのに……」 だが、梓は刀を抜くことはしなかった。 男の懐まで潜り込み、片手で顔を掴んだ。 「んぐっ……!?」 「おい。二度目はないぞ」 そして、鳩尾を思いっきり殴り、男は気絶した。 ドサッという音と共に男は倒れ、梓は冷たく見下ろした。 「あ、あの!ありがとうございました!」 「お礼言われることなんてしてないって。怪我とかしてない?」 「大丈夫です」 梓はにっこり笑って女の人の頭を撫でた。 女ながらも似合わない長身に男物の袴。 誰が見ても女だとは思わないだろう。
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