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「姉御!遅いっすよ!」
「あー、ごめん、ごめん。もうちょっと早く来る予定だったんだけど…」
同じ組の者には姉御と呼ばれ慕われている。
梓自身は何度も止めてくれと頼んだのだが変わらない為、諦めたのだ。
「そんじゃ、行きますか」
梓は隊士が持ってきてくれた浅葱色の羽織に袖を通して屯所から出るのだった。
零番組の主な仕事
それは__
裏切者の始末だ。
「烝!本当に合ってる?」
「俺の言うことが信じられないって?」
「いや、そういうことじゃないけど…」
梓が呼んだ烝とは、監察方の山崎烝だ。
情報収集には長けていて、それに忍としても動くことが出来る。
副長直属の為、重宝されている。
「……来た。流石、烝」
「そんなこと言ってないで早く行け」
梓は刀を抜いた。
月明かりに照らされ銀色に光る刀。
そして、梓の顔が分かった途端に裏切者の顔色は変わった。
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