第1章

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「戦争になることなんてないよ。2人もプラントにくるんだろ?」 「・・・・・・」 「大丈夫。またすぐに会えるよ。」 そう言って別れた大切に親友。今も元気だろうか? コーディネーターとナチュラルとのにらみ合いは、ナチュラルによって作られた地球連合軍の核攻撃「血のバレンタイン」によって大きく動いた。圧倒的な物量の連合軍が圧勝されるかと当初は思われていたが、コーディネーターのみで形成されるザフト軍のMSの機動力についていけず、五分五分の硬直状態が11ヶ月続いた。 カタカタカタカタ パソコンを叩く音が二つ重なって聞こえる。一つは茶色の髪に紫の瞳の少年だ。もう一つは真っ白の髪に透き通る水色の瞳の少女だ。なにやら難しそうな資料を片手に真剣に作業をこなしている。空からメタリックグリーンと、メタリックブルーのロボット鳥が飛んでくる。それらは、二人のパソコンの上に降り立ち、 「トリィ」 と、可愛く鳴く。 「サクラー!キラー!」 そう呼ばれた二人は振り向く。呼んだのは友達のトールだ。その横には、いつものようにミリアリアがいる。 「どうしたの?トール。」 澄んだ声でサクラが問う。 「教授が探してたよ。何か渡したいものがあるみたいだったけど?また何か手伝わされてるのか?」 二人が大きくうなだれる。キラが 「またー?昨日もらったのだって終わってないのに。」 と、いかにも大変だ。と主張する。 「見つけたら引っ張ってでも連れてこいだって言ってたわよ?」 ミリアリアが肩をくすめながらそう言う。 「分かったよ。」 二人は諦めたように移動していく。 ここは中立国のヘリオポリス。中立国だから、まず戦闘は起きないし、平和そのものだ。と、その時は思っていた。すでに黒い影がヘリオポリスに近づいていることなどキラたちは知る由もなかった。
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