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なんとか人だかりを抜けて、
お母さんに合流した。
「新入生は、クラスに行くんだって!」
昇降口に向かう。
「あ!
聡兄ぃ!」
兄貴の聡(さとる)だ!
「おう!」
「聡、鍵は?」
「持ってる!」
兄貴はぶっきらぼうに言った!!
「聡くん、もう帰り?」
美紀のお母さんが声をかけた。
「はい!
1部を除いてです!」
会釈して、さっさと帰ってしまった。
昇降口はごったがえしていた!
下駄箱で、靴を履き替える子どもを見送る親御さんで……。
早く子離れしてほしいよ~!
この人たち邪魔!!
あ、お母さんたちも……。
美紀のお母さんは、
撮影している!?
美紀は一人っ子だから、
仕方ないか……。
って! お母さんも撮る!?
苦笑して、美紀とフラッシュが光るのを待つ……。
ウィーン、ガシャ!
あ、また!?
お決まりの電源と、
シャッター間違えるパターン!?
「じゃあね!!」
「紗優ちゃん!!
ゴメン!
待って!」
「いこ!!」
「良いの?」
「いつまでも撮影してちゃ邪魔だから~!」
私たちは、縦にも長い校舎の最上階を目指して、
階段を上り始めた。
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