第2話 欲すれば恋か

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運ばれてきたジントニックを一口飲んで、改めて店内をゆっくり見回す。 木造の店内。味のある年季の入った木の柱。 テーブルも艶やかな色気を放つ綺麗な木材。何の木かな。 「お仕事後ですか?」 「…え、あ、はい」 「こんな時間まで大変ですね。」 そっか、カウンターに座って食べて飲んで、店員さんが話し相手になってくれるんだ。 私を出迎えてくれた店員さんはにこやかにこちらを探りながら様子を見てる。 ま。いいかな。言っても。 「夜はここからすぐのお店で働いてるんです。最近一人で軽く飲むってしてないなぁと思って。前から気になってたこちらに来てみました。」 「そうなんですか、ありがとうございます。前から気にして下さってたんですね。嬉しいな。」 ほどくように笑う顔が可愛く見えて、少し癒された。 「近所なので時間気にせず飲めるなって。」 「そうなんですね。まぁこの時間でしたら近所じゃないと大変ですよね(笑) あ、ちなみに私がここの店主の倉坂(くらさか)です。よろしくお願いします。」 「あ、ご丁寧にどうも。私は久知(ひさち)といいます。」 倉坂さん。 無意識に刻む様に中で呟いてた。
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